2017年1月8日日曜日

お嬢さん

 銀行の業務ごとに課で分けられ、その中でさらに、グループで分けられていた。定期預金よりもさらに利回りのいい商品もあり、当時はそれについて、親戚知人などに出状して案内するハガキなども配られた。

 事務処理をまとめて行うところに配属されたのだが、若い女の子、という存在がほとんどなく、20歳台人口の少なかったこと。私の指導役でついてくれたO村さんが、そのグループの中で一番若いらしく(当時34才?)その役目を負うことになったようである。

小柄だが、とても声が低い人だった。そして、O村さんからは残念そうなそぶりを感じた。(若いのに、こんな職場に来てしまってお疲れ様です・・。)そんなことを言ったか、言葉のはしに感じられたのかは覚えていない。

 営業店の事務部分だけを集中管理して引き受け、処理を行った後に店に返送する部署のため、お客さんは来ない。女の人は大多数が30半ば以降のベテランかつ、雰囲気の怖い人、個性やクセの強い人もいた。(独身率も高かった)

 仕事ができない=半人前以下、という風当たりの強さを感じ、「お嬢さん」と呼ばれながら、10歳以上年齢の離れた先輩たちに囲まれてのスタートになった。男性社員たち(全員40代以上)は、課ごとの検印者として配属されている。ベテラン女性社員に、業務指示を出すような感じはなく、実質的なリーダーはやはり、女子先輩社員だった。

画像は、イメージです

 配属されたのは、営業店の事務処理のみ引き受けて集中処理する部だったが、そこは、仕事に厳しい先輩たちと、やや年配の男性が多数を構成しているところだった。当然社内での出会いなど、期待できるものではないし、それどころか、先輩に怒られないように注意を注がないといけない感じであった。先輩の厳しい目線や、気難しい態度にどうこたえていいかわからなくなる怖さもある職場である気がした。

 少しばかりあこがれていた、みんなで仲の良い、さわやかで活気あるオフィスのイメージはくつがえされ、若い男性はおろか、同年代で配属された仲間は、自分を入れて同期三人の女の子だけだった。「うーん・・」たぶん、三人とも同じことを考えていたのではないだろうか。


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